漫画は電子書籍で読むのがおすすめ ハンターハンター20巻 ナックルとシュートとパーム
5人の戦い
『ハンターハンター』試練の20巻です。
ネテロ会長から「2人の刺客」を倒さなければキメラアント討伐には連れていけないと試験を課されたキルアとゴン。
刺客を探すゴン達の前に、不気味な女が現れました。
彼女はパーム。
いかにも『ハンターハンター』らしいエキセントリックなキャラ。
ネテロ会長の側近ノヴの弟子で、刺客とはもう1人の側近モラウの弟子だといいます。
モラウの弟子たちもまたキメラアント討伐軍に志願し、同じ試験を課されたのだと。
この試験はパームとゴン達の3人対モラウの弟子2人、ナックルとシュートとの勝負なのです。
パームはゴン達のことを調べ、強くなるための指導者としてビスケを呼んできました。
ネテロの示した起源は一ヶ月。
ビスケは、ネテロが一ヶ月と言ったらそれは1年でも難しい難題だと指摘します。
ノヴを異常に敬愛するパームはビスケに対しても、もしゴン達の育成に失敗して討伐軍参加が叶わなかったらあなた方への殺意を抑えられる自信がない、早めに逃げてくれとまで言います。
そんな悲観をよそにゴンは言います。
一刻も早くカイトを救出する、そのためには1か月でも遅いのだと。
ゴンは宣言しました。
「1週間で試験を達成する!」
椅子取りゲームから切磋琢磨へ
動物好きのバンカラ男ナックルと、引っ込み思案なサムライ姿のシュート。
彼らとの勝負は、単なる討伐軍入隊資格の奪い合いから、定期的に戦いあって互いの能力を高めるという共同作業へと変わっていきます。
その中で大きな壁が眼前に立ちはだかったのが、キルアでした。
ビスケはキルアに鋭く指摘します。
慎重な殺し屋として育成されたキルアには、自分より強そうな相手に立ち向かう気概が全くないのだと。
その壁を乗り越えることができなければ、ゴンの前から消えるように??と。
それは最初のハンター試験で、キルアが兄イルミに言われた言葉と同じでした。
イルミの歪んだ愛情を拒むため、そしてゴンと共に歩み続けるためのキルアの戦いが始まります。
一方、ゴンと勝負していたナックルは遂に念能力「天井不知唯我独損」を見せました。
どんな強大な相手からでも、こちらが与えたダメージから10秒1割に利息でオーラを減らせる能力。
今後のキメラアント戦の鍵となる能力です。
5人の修行はまだ続きます。
ジャイロ
この20巻には中盤、ナックル・シュートとの勝負とも、キメラアントの戦いとも直接には関係してこないある男の物語が、たった1話だけ差し挟まれています。
その男の名はジャイロ。
貧しい飯場の出身で、信じていた父親が自分のことをなんとも思っていなかったことを知り、世界を憎んだ男。グリードアイランド編に登場したビノールトのように、彼もまたスラムの過酷な環境で歪んでいった一人でした。
世界への復讐のためにNGL建設を成し遂げた彼は、しかし本筋に絡むことなく、物語から消息を絶ってしまいます。
彼がどのようにストーリーに帰ってくるのか。
20巻から倍近い巻数が出た今でも、『ハンターハンター』ファンの多くが彼の再登場を待ち続けている、それほどインパクトのある話です。